
でも、なんとなく観ていて、同じアーティストで時期によって作風がガラッと変わる様は、まさにピカソのようでもあるなぁ、と思った。ピカソは、誰かが自分の模写のようなことを始めたら、それから脱却するように新しい作風を生んでいったと聞くのとは違って、
フランソワーズ・ジローの変遷は、時代やまわりの人の影響を悠々と、楽しんで受け入れているよう見えた違いはあるのですが。男女の違いのようでもあり、ピカソと彼女は、とても似たところが人間としてあったのだろうかな、と勝手に想像。違うかな、どうなのかな。(個人的には、1990年代の作品が、プリミティブアートのようはシンボリックさもあり、色使いや構図も好きだった)
現在、88歳、ニューヨーク在住。もしかしたら、お会いできるかも、という今回のチャンスだったのですが、来日がなくなってしまい、お会いできず、残念!(お写真で拝見するかぎり、とても美しい女性で、一目仰ぎたかった!)
『A Life in Art』というタイトルが示すとおり、彼女の60年以上の作品群から選ばれたものが展示されています。インパクトや印象や、世の中、時代のきりとりもアートですが、フランソワーズ・ジローの絵を観ていて、「続ける」ということこそ、アートなのかも、と、自分的には新鮮な思いも生まれる。
余談ですが、パンフレットに書かれてあった「画家のアトリエというのは、午前でも午後でも、また夏であっても冬であっても、光が常に一定であるように、必ず、北側に面している」という一文に、へぇ〜なるほど、と思った。
銀座 CHANE NEXUS HALL