
たくさんのことが、戦後変わったのだろうと、あらためて思う日本の急速な変化が始まった頃の話。ギリギリの生活を強いられていながら、そこにある 人としての”心のふくよかさ”はなんなのだろう。 そんな中、はっきりと根づく、それぞれの人生における生命力。生命力というのは、案外、それぞれの人生の歩み方で手にしていく力なのかもしれない。
作家でありながら、近い人にはうまく言葉で表現しきれず苦しむ 佐知の旦那・大谷(浅野忠信さん)が手のひらにのせるものが、ナイフであったり、いのちを落とす薬であったり・・・かと思えば、生きたいと思う人間の本能的欲求の象徴になったりー そんな 無言の中の繊細な表現にも、胸 打たれました。手の中に何を彼が握るのか。話の筋として見えて、おもしろかったです。(小さなことなんですけど...)
