今日は渋谷で試写1本。12月上旬公開予定のドキュメンタリー映画『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン』。タイトルにもあるように、とにかく予約殺到、一年を通して半年しかオープンしない、スペインのカタルーニャ地方の、海のそばにある ミシュラン3星レストラン。ご存知ですか?私は、10年ほど前だったか、食通の知人から出向いたお話を伺ったり、テレビ番組のナレーションをさせて頂いたり、実際、日本のレストランでも、エルブリスタイルを、いち早く取り入れているところも多かったので(それがいいのかどうかは わからなかったけど)食してみたり、へぇー、いったいどんなところなのだ?とよく思っていたものでした。東京にいても、その流行から、一時期 飽和状態に思えるほどだったけれど、あの実験的な食、温度や食感の不思議、”驚き”が とにかく醍醐味のエルブリ料理。そんな、世界的を一世風靡したお店も、今年7月に人気のまま閉店。
映画は、その、常に斬新さを驚きを持って話題をまき散らしてきたエルブリ料理のできるまで、レストランの裏側を見せています。料理の楽しさとか、スペインの土地の映像というよりも、クリエイティブなモノが生まれるプロセスが見られる作品でした。料理のプロセスを見ている、というよりは、科学的実験の現場を覗き見しているような感覚。どういうものなのか興味があったので、私は面白かった。
奇才のオーナー・シェフ、フェラン・アドリア氏は、たまたま料理人だったのかも。驚きがすべてーそこに賭ける神経はハンパなく。「クリエイティブな事は、突然降ってくるものではない。日々の積み重ねによるものだ」。それを実践している日々。
一番面白かったのは、世界のトップシェフと言われる人たちが、新しいメニューを考案するために、何もない(材料買いから)状態から、考え始める時期の映像。それは、不器用なはじまり、それは、過去ではなく完全な未来。失敗の連続、アイディアの浮き沈み。「大きく、振り出しに戻る」ことの大切さを見る。
試写後、一緒に観た こぐれひでこさんと近くのカフェでお茶。外のテラスのソファに座ったら、隣にヤギがいてびっくり!結構癒された。ヤギって静かー。次々と通行人がヤギの小屋に寄っては通り過ぎ...渋谷にヤギ、いいね。シフォンケーキとロイヤルミルクティーを注文。食は、驚きも最高のエンターテイン!そして、安心感もまたいい感じ。